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第十四回 聖ヨゼフ  「神は加えられた」の意

  3月19日 聖ヨゼフ(祭日)
  5月 1日 労働者聖ヨゼフ(任意の記念日)…1955年ピオ12世教皇の制定

*キリストの養父で、大工を生業としていたといわれる。
* 聖会(教会)の保護者・・・教会は「キリストの神秘体」といわれ、キリストの保護者ヨゼフは教会の保護者として尊敬される。また労働者の保護者でもある。
* 聖ヨゼフへの親しみ・尊敬はアビラのテレサ(16世紀スペインカルメル会修道女)の影響が大きいといわれる。
 

■ パリ市内の聖ヨゼフを保護者とする聖堂(4ヵ所)
St.Joseph des Carmes (6e), St.Joseph artisan (10e),
St.Joseph des Nations (11e), St.Joseph des Epinette (17e)

■ 新約聖書に登場するヨゼフ(主な舞台はベトレヘム・エジプト・神殿・ナザレ)
「ヨセフに現れる天使」
(St.Sulpice)

* キリストの養父…マタイ福音書1章18〜25節
* 大工…マタイ福音書13章55節
* ダビデの子孫…マタイ福音書1章1〜17節、ルカ福音書1章26〜27節、同3章23〜38節。(救い主=キリストはダビデの子孫から出ると考えられていたため、ヨゼフがダビデ家の子孫であることは重要であった。旧約聖書イザヤ書11章1〜10節、ミカ書5章1節、エレミヤ書23章5節、同33章15節、エゼキエル書34章23節など参照。)
* ベトレヘム…ルカ福音書2章1〜7節、15〜16節、22節
* 神殿…ルカ福音書2章41〜52節
* エジプト…マタイ福音書2章13〜15節
* ナザレ…マタイ福音書2章19〜23節

■ 美術作品にみられるヨゼフ(古くは老人として、後には青年として描かれることが多い)

* 百合の花…純潔のしるし
* 杖…マリアの夫として選ばれたしるしに、その杖に花が咲いたという伝説によるもの。
* 大工道具…生業は大工であったと伝えられるため。
* 聖父子像…幼子イエスを抱いた父親の像として表現される。聖母子像からの影響といわれる。

「ヨゼフの死」
(Notre-Dame de La Croix, [Paris, Menilmontant])


* 聖マリアと聖ヨゼフの結婚、聖ヨゼフの死(伝説によればイエス19歳のとき没したといわれ、天使に迎えられる構図が多い。)、戴冠(聖母の戴冠からの影響か?)などのモチーフがある。