四旬節第1主日

マタイによる福音 4・1〜11
2005年2月13日


皆さん、ターザンの映画の中に登場する人々が川を渡る時、何に乗って渡るかを知っていますか。「いかだ」です。ターザンの映画は好きですか。私は小さいときターザンの映画を良く見ました。ターザンが危険に遭遇した時に像を呼ぶシーンを今もよく覚えています。
たくさんの人々がいかだに乗って川を渡っていました。
流れも急で、とても深い所に来たとき、一人の子供が川に落ちてしまいました。
ところが誰一人子供を助けようと川に飛び込む人はいませんでした。なぜなら深い川に飛びむことはとても危険だからです。みんな足をばたばたと踏むことしかできませんでした。川に落ちた子供は「助けてくれ!」と叫んでいました。突然、髪の白いおじいさんがザブンと川に飛び込みました。
おじいさんはターザンのように格好よく泳いで、溺れかけていた子供を助け出し、いかだへと戻ってきました。子供とおじいさんがいかだに上がって来た時、人々は拍手しながら歓声を上げました。
その時おじいさんはこう言いました。
「私の背中を押したのは誰?」
今日の福音はイエス様が荒れ野で悪魔から誘惑を受けられたお話です。
聖書には「“霊”に導かれて荒れ野に行かれた」と書かれています。
イエス様は完全なる人間であったのですから、四十日間も断食すのは嫌だったのでしょう。また更に悪魔から誘惑を受けることはもっと嫌なはずです。でも聖霊がイエス様の背中をドンと押したので、イエス様は荒れ野に出られました。
荒れ野は寂しく危険で人が居るにはとても不便なところです。
聖霊に導かれたので、イエス様は辛い四十日間を父なる神様のご計画が実現するために喜んで荒れ野での生活を耐え抜かれました。イエス様は神様のさらなる大きな栄光を証するために十字架に付けられてお亡くなりにさえなられました。
四旬節は黙想会の時です。いつもよりもミサへの出席、ロザリオの祈り、十字架の道、犠牲などたくさんしなさいと、教会は勧めています。私たちは肉体を持っているために、このような教会の勧めに従うことが簡単ではありません。
しかし、聖霊が私たち背中をドンと押してくださったと思えば喜んでできるはずです。
聖霊が今日も私たちの背中をドンと押してくださったから、こうしてミサに来ているのです。
聖霊は私たちがいい実りを結ぶように、私たちの背中を押しています。ミサでいただく喜びは他のどこでもいただくことはできません。四旬節の間、聖霊が毎日私たちの背中を押しています。「ミサに行きなさい」 「お祈りしなさい」 「愛しなさい」 と。私たちの信仰生活がこれを実行するとき、来るイエス様の復活はもっと大きな喜びとして受け止められるでしょう。そして神様は私たちが思いもよらなかった大きな実を結んでくださることでしょう。

アーメン

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