年間第32主日

マタイによる福音 25・1〜13
2005年11月 6日


西暦79年8月
イタリア南部の都市・ポンペイは大きな災害に見舞われました。
近くにある火山が噴火して、3メートル近くもの火山灰が降り積もり、都市全体が壊滅してしまいました。
古くから肥沃な平野に恵まれ、五百年間その栄華をほしいままにしてきたこの都市は、突然の火山噴火によって一瞬にして滅び去ってしまったのです。この事故により二千名の住民らが火山灰の下敷きとなり、そのまま化石になってしまいました。
十八世紀から発掘が開始され、二百年経った現在ではイタリア最大の観光名所として知られるようになりました。

入浴中に、また食事中に亡くなった人々が化石となって発掘されました。
水洗式の公衆トイレや豪華さを極めた大浴場なども発掘されてました。ポンペイは飲めや食え、歌えや踊れの快楽の街だったのです。この都市が一日にして滅亡したのは、実は火山の噴火のためではなく、とてつもない享楽と快楽の毒素のためであったと言われています。

「腰に帯を締め、ともし火をともしていなさい。」
「ノアが箱舟に入るその日まで、人々は食べたり飲んだり、めとったり嫁いだりしていたが、洪水が襲って来て、一人残らず滅ぼしてしまった。だから、あなたがたも用意していなさい。」

主のおことばのように、ポンペイの市民らは火山が噴火した瞬間にも、飲んだり食べたり、めとったり嫁いだり、快楽に溺れていて、化石になってしまったのです。

何を先回しにして、何を後回しにしなければならないのか、分別のつけられる知恵が与えられますように、主の恵みを願いましょう。

アーメン

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